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松田 規宏; 中島 宏; 春日井 好己; 笹本 宣雄*; 金野 正晴*; 北見 俊幸; 市村 隆人; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.74 - 77, 2004/03
高強度の陽子加速器施設において、トンネル内遮へいコンクリートの放射化することが予想されるため、加速器機器メンテナンス作業時の作業員の線被ばく線量は低減対策をとる必要がある。そこで、大強度陽子加速器施設(J-PARC)では、トンネル内遮へいコンクリート躯体の一部に、石灰石を骨材とする低放射化コンクリートを採用することとし、低放射化コンクリートの性能指標として新たにNa当量を導入した。低放射化コンクリートの有効性を検証するため、低放射化コンクリートと普通コンクリートの粉末試料について、中性子照射実験を原研FNSで行った。J-PARC用に整備した遮へい設計詳細計算コードシステムを用いて計算解析を行い、その結果はファクター2以内の良い一致を示した。また、J-PARCを模擬した体系での検証は、加速器停止後1週間以内のメンテナンス期間において、低放射化コンクリートによる線被ばく線量が普通コンクリートに比べて1/10以下であり、低放射化コンクリートの使用は有効であることが確認された。
明午 伸一郎; 中島 宏; 高田 弘; 春日井 好己; 猪野 隆*; 前川 藤夫; Hastings, J.*; 渡辺 昇; 大山 幸夫; 池田 裕二郎
JAERI-Data/Code 2001-014, 23 Pages, 2001/03
1.94,12及び24GeV陽子を水銀ターゲットに入射し、ターゲット内の温度,圧力波及び中性子特性を測定するAGS核破砕ターゲット実験における入射ビームのプロファイルと強度の測定を行った。入射陽子ビームプロファイルのオンライン検出器としてセグメント化された平行平板電離箱(CHIDORI)を用いた。また、プロファイルはアルミ箔を陽子ビームで放射化し、これから生成する及び線の強度分布をイメージングプレート(IP)で検出する方法を測定した。ビーム強度の測定には積分型カレントトランスフォーマー(ICT)及び銅箔の放射化法を用いた。CHIDORI及びIPによるプロファイルの結果は良い一致を示した。また、ICT法と放射化法によるビーム強度の結果は、12及び24GeV陽子に対し3%以内で良い一致を示した。さらに、これらの値はAGSのチームが設置したセグメント型ワイヤー電離箱(SWIC)及び二次放出電離箱(SEC)による結果と良い一致を示した。以上より、モニター手法を確立し温度及び圧力波等の実験解析が入射陽子あたりで規格化できるようになった。
初川 雄一; 早川 岳人; 藤 暢輔; 篠原 伸夫; 大島 真澄
CP495, Experimental Nuclear Physics in Europe, p.429 - 430, 1999/11
多重線スペクトルは微少な線を高感度で検出できるためこれを用いた研究は核物理、特に核構造研究において顕著な成果を収めてきた。本研究ではこれを分析化学、特に中性子放射化分析法に応用し、微量成分の検出を試み、多重線スペクトルの分析化学への有用性を検証した。一般に地質学的資料は主要成分であるナトリウムやマンガンから生じるNaやMnからの強い放射能のため微量成分の測定には化学分離などを行わなければならないが多重線スペクトルの高い検出力を用いて非破壊検出を試みた。岩石標準試料はJRR-4で10分間照射され多重線検出装置GEMINIによって線測定が行われた。解析の結果岩石試料中の26元素の非破壊同時測定に成功した。特にBrは今までに検出されておらず初の検出に成功した。また検出された最小成分はEuの4ppbであった。
中島 宏; 高田 弘; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇*; ASTE共同チーム
Proc. of 14th Meeting of the Int. Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-14), 1, p.457 - 467, 1998/11
AGS加速器による1.5,7.0及び24GeV陽子を用いて水銀ターゲットの諸特性を測定する核破砕ターゲット積分実験を行った。ここでは、Neutronics等の実験の基本となる入射陽子ビーム形状及び投入陽子量を測定した。ビーム形状測定では、マルチワイヤプロファイルモニタとイメージングプレートの二種類の方法を用いて、上記の入射条件についてビーム入射位置及び強度分布を明確にした。投入陽子量の測定では、Cu(p,x)Na放射化反応を用いて12%程度の精度で絶対値を求めた。本測定結果は、AGSリング内のビーム強度測定装置による測定値と比較して、24GeVの場合5%程度で一致したが、1.5GeVでは23%低かった。この差は、ビームラインにビーム収束装置が設置されていないことによりビームが発散したためである。このビームの発散については、イメージングプレートによる測定でも確認された。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 深堀 智生; V.I.Belyakov-Bodin*; G.I.Krupny*; Yu.E.Titarenko*
Proc. of 4th Int. Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transm, 0, p.323 - 333, 1997/00
0.8及び1.2GeV陽子を直径20cm、長さ60cmの厚いタングステンターゲットに入射した場合のターゲット円筒側面における種々の放射化検出器の反応率分布について、加速器によるTRU消滅処理システムの核設計に用いられるNMTC/JAERI-MCNP-4Aコードシステムを用いて解析計算を行い、実験結果と比較した。両方の入射エネルギーに共通して、主に10MeV以下の中性子検出反応S(n,p)P、Al(n,p)Mgについて、計算結果と実験結果は10~15%の差の範囲で一致し、コードシステムの現在の予測精度は妥当なものであることが判った。しかし、10100MeVの中性子検出反応Al(n,)Na Bi(n,xn)について、計算結果は実験結果に対して30~50%低いことが判った。この不一致はNMTC/JAERIコードが中性子生成を低く評価することに起因すると考えられるため核反応及び粒子輸送過程の計算モデルについて、今後さらに改良する必要がある。